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メキシコの金融包摂とデジタル化:フィンテックの拡大と送金が変える金融業界の未来

メキシコでは過去数年、金融包摂とデジタル化が目覚ましいスピードで進んでいます。依然として銀行口座を持たない国民は多いものの、モバイルテクノロジーとフィンテックの成長により、従来の金融機関にアクセスできなかった層が新たな形で金融サービスを利用できるようになってきました。


フィンテックの急成長


メキシコはラテンアメリカにおけるフィンテックのハブのひとつとして急浮上しています。2025年時点で、国内には800社を超えるフィンテック企業が存在し、個人向け融資、モバイルウォレット、デジタルバンキング、投資アプリなど多様なサービスを展開しています。とくに注目すべきは、これらのサービスが伝統的な銀行インフラに依存せず、スマートフォン一つで完結する点です。


これにより、地方在住者や非正規労働者といった、従来は「金融排除」されてきた層にも金融アクセスの道が開かれています。金融当局もこの流れを後押ししており、2018年には「フィンテック法」を導入。業界の透明性と競争を促しつつ、消費者保護と安定性の確保を目指しています。


送金が金融参加を加速


メキシコ経済において海外送金(レミッタンス)は非常に重要な役割を果たしています。米国からメキシコへの送金額は年々増加しており、2024年には年間600億ドルを超えました。この資金の大部分は、農村部や銀行インフラが整っていない地域の家庭に届いています。

フィンテック企業はこの分野にも革新をもたらしています。低手数料かつ即時送金可能なアプリの登場により、送金コストは劇的に下がり、利便性が向上。これが結果的に多くの家庭にモバイルウォレットの導入を促し、デジタル金融サービスへの入り口となっているのです。


金融セクターへのインパクト


これらの動きは、メキシコの金融セクターにとって大きなチャンスであると同時に、構造改革の必要性を突きつけています。銀行はフィンテックとの連携やAPIの開放など、新しい金融エコシステムへの適応が求められています。特に中小金融機関にとっては、従来のビジネスモデルを再考する必要があるでしょう。


同時に、デジタルリテラシーやサイバーセキュリティといった新たな課題も浮上しています。包括的な金融教育と制度的な安全網の整備が、今後の持続的成長の鍵となるでしょう。

メキシコの金融未来は、もはや銀行窓口ではなく、スマートフォンのスクリーン上にあります。フィンテックと送金の力を活かすことで、より多くの人々が公平に金融サービスを享受できる社会が現実のものになろうとしています。

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